近年、「サードウェーブコーヒー」という言葉を耳にする機会が増えました。
単なる嗜好品としてではなく、コーヒーを“文化”として捉えるこの流れは、今や世界中のコーヒーやカフェシーンに大きな影響を与えています。
日本も例外ではなく、独自の進化を遂げながらこのコーヒーの流行を取り入れてきました。
本記事では、サードウェーブコーヒーとは何か?、日本におけるコーヒー事情の変化について詳しく解説していきます。
サードウェーブコーヒーとは何か
サードウェーブコーヒーとは、コーヒーの「第三の波」と呼ばれるムーブメントのことです。
コーヒーの歴史は大きく3つの段階に分けられます。
ファーストウェーブ
インスタントコーヒーの普及に代表される時代で、コーヒーが一般家庭に広く浸透しました。
コーヒーを飲むうえで「手軽さ」が重視された時代です。
当時ミルクや砂糖は主流ではなかったので、ブラックコーヒーを飲むことが多かった時代です。
セカンドウェーブ
カフェ文化が広がり、豆の産地や焙煎に注目が集まり始めました。
エスプレッソ系ドリンクやカフェチェーンの台頭が象徴的です。
このセカンドウェーブから我々のなじみ深いコーヒーやカフェが登場します。
代表的なものだと、1971年に創業したスターバックスが有名です。
今や現代の街並みには欠かせないカフェチェーン店となりますが、セカンドウェーブから徐々に
普及していった背景があります。
サードウェーブ
そして現在のサードウェーブでは、コーヒーは「農作物」として捉えられ、産地や品種、精製方法に至るまで細かく意識されるようになりました。
一杯のコーヒーに至るまでのストーリーや透明性が重視され、まるでワインのように楽しむ文化が広がっています。
特に浅煎りで飲むコーヒーが主流となっており、苦味の効いたコーヒーというよりかは
酸味がかったフルーティな味わいが好まれます。
サードウェーブの特徴
シングルオリジンへのこだわり
シングルオリジンとは、単一の産地や農園で生産されたコーヒー豆のことで、
特定の地域の豆を使用することで、土地ならではの味わいを楽しめる特徴があります。
単一農園・単一品種の豆を使用することで、それぞれの地域性や個性を楽しむスタイルが主流となりました。
浅煎り(ライトロースト)の普及
豆本来の風味や酸味を引き出すため、従来の深煎り中心から浅煎りへとトレンドが変化しました。
浅煎りにすることで、コーヒー豆本来の甘味や酸味など本来の味わいを楽しめるようになります。
ハンドドリップの再評価
機械ではなく、人の手による抽出が見直され、人の手にからコーヒーを入れることに重きを置いた価値観です。
昨今はコーヒーメーカーの普及により一般家庭においてもドリップしたコーヒーを楽しめるようになりました。
しかし、手動のハンドドリップならではのコーヒーの味わいや楽しみ方も再評価されるようになり
人が入れるコーヒーを楽しむ価値観が主流になりました。
サステナビリティと倫理性
サードウェーブにおける重要なテーマとして生産者への適正な対価や環境への配慮など、持続可能なコーヒー生産が挙げられます。
シングルオリジンの単一の産地からコーヒー豆を取り入れるといった価値観から、
安い生産場所から豆を入手するのではなく、特定の地域の農園や産地から豆を仕入れることで
単一の味のコーヒーを提供することができます。
また、生産者の方にとっても継続的な関係性を築ける、まさにウィンウィンの関係性が特徴です。
日本のコーヒー文化の特徴
日本はもともと独自のコーヒー文化を築いてきた国です。
特に「喫茶店文化」は長い歴史を持ちます。
昔ながらの喫茶店では、深煎りのコーヒーをネルドリップで丁寧に抽出するスタイルが一般的でした。落ち着いた空間でゆっくり過ごすことが重視されてきました。
また、元来より日本では職人意識の高さや職人に対してのリスペクトが大きい文化でもあります。
日本のバリスタや焙煎士は、抽出技術や味づくりに対するこだわりが非常に強く、細部まで丁寧に仕上げるといった特徴もあります。
日本のコーヒー市場の現状
コンビニコーヒーからコーヒー専門店まで、昨今において多様化する消費スタイルに併せて
コーヒーの選択肢が非常に広がっています。
また、ドリッパーやコーヒーメーカなどの器具や豆の入手が容易になり、自宅で本格的なコーヒーを楽しむ人も増えています。
職場にもネスカフェアンバサダーを設置してあるオフィスも増えており、日本でもコーヒーを飲むという文化は普及しています。
また、SNSや動画を通じて、コーヒー豆の抽出方法や豆の知識が広まり、これまで知る機会が少なかった情報も一般消費者の間で共有されるようになりました。
現代の日本においてコーヒーとは生活の一部になっているといっても過言ではないくらいに
我々の日常生活のかけがえのない存在になっていることが現在の状況です。
コーヒー文化の将来
今後の日本のコーヒー文化は、さらに多様化していくと考えられます。
サードウェーブの影響を受けつつも、日本独自の美意識やライフスタイルに合わせた進化が続くでしょう。
また、環境問題やサステナビリティへの意識の高まりにより、消費者がコーヒーの背景まで意識する時代がに到来しています。
さらに、フォースウェーブ(第4波)も2020年初頭から徐々に浸透しており、
ここでは、精製技術を生かしたコーヒー豆の味の改良を軸にした時代になります。
環境問題や人口問題によりコーヒーの生産地が減少することを加味したうえで、
現代技術を生かしたコーヒー豆の生産および研究が進められているのです。
まとめ
サードウェーブコーヒーは、単なるトレンドではなく、コーヒーの価値観や当時の生活の価値観を変えたムーブメントです。
そして日本は、その流れを独自の文化と融合させながらコーヒー文化を発展させてきました。
伝統的な喫茶店文化や抽出技術の高い職人によるコーヒーといった、日本のコーヒーシーンは、
日常に融合した文化を持っています。
これからコーヒーを楽しむ際には、味だけでなく、その背景にあるストーリーや文化にも目を向けてみてください。一杯のコーヒーが、より豊かな体験へと変わることでしょう。


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